人ならざる者の声:前編



その日baneはいつものように、バンダナの家で面子が集まるのを待っていた。

時刻は午後三時。丁度小腹が空く時間だ。

bane:「ねーバンダナ腹減った。 なんか食わせて。」

バンダナ:「はあ!?お前何言ってるの? 食いたきゃコンビニにでも行け。」

bane:「えー面倒くさいし。 なんでもいいから食わせてよ。ほら、冷蔵庫の上に缶詰とかあるじゃん。」

バンダナ:「ほほう。これを食う気か。 いいだろう食ってみな。」

bane:「やったー!!」

……という流れでバンダナからイワシの味噌煮缶詰をもらった。

bane:「じゃいただきます。」

さっそく一口。




……。



マズッ!!

bane:「うあ何これ!?全然味噌煮っぽく ないしモッタリしてるしなんか酸っぱいんだけど。」

バンダナ:「ふっ。ラベルをよく見てみな。」

言われるままに缶詰のラベルを見ると……。






イワシ味噌煮梅味




……。


bane:「何じゃこりゃあぁぁぁ!! 何故味噌煮で梅味!?」

まあ確かに梅っぽい味したけど。

バンダナ:「ふっ。俺もその味にはまいった。」

bane:「ならこんな物買うなよっ!!」

バンダナ:「いや買ってねーよ。 実家から送られてきたんだよ。それより開けたからには最後まで 全部食えよな。」

bane:「ぐっ……。」


……その後baneと味噌煮の死闘は十五分にも及んだのだった……。





さて。面子も集まり今日も麻雀の始まり!!

……なんかまだ口の中酸っぱいけどテンション上げていこう……(涙)。

一半荘目、親は白石→bane→バンダナ→ポリの順。

おっしゃー!!白石の下家げっとぉぉぉぉ!!

これでbaneが完全有利!!

……半荘が始まると序盤の場はやはりbane中心で回っていく。

東一局でリーチから一人テンパイで親を引き、東二局一本場で ポリのリーチをかわし白石から軽く和了る。

      ロン  ドラ

ドラを鳴けているのが白石の恩恵。(和了りも白石 からだし)

二本場、再びのポリリーチを流局テンパイでしのぎ、続く三本場。

      ロン  ドラ

仮テンの状態で再び白石から和了る。5800は6700。

これでまずまずのリードを確保。

……しかし。

やはり今回もこの男が追いすがってくる!!

バンダナ:「ロン!!」

      ロン  ドラ

片和了りの7700+1200を白石に決めて (また白石からかよ)、続く親番ではポリからタンヤオ1500を獲得!!

……と、ここまでは良かったのだが。

ポリ:「ロン!!リーチドラ。」

さっきから鳴き場に耐えて(ごめんね白石が悪いのよん)リーチをかけている ポリに打ち込み、2600+300の出費。

点数的にはあまり大したこと無いように見えるが、この振り込みが バンダナにとってのターニングポイントだった!!

続く東ラス。

白石:「ツモデスヨぅ。700-1300デスヨぅ。」

リーチをかけた白石が和了る。

それに反応してバンダナが変な声を上げた。

バンダナ:「あぁー(涙)。」

bane:「どうした?高い手だったとか?」

バンダナ:「いやね、白石がリーチ中 に切った、見逃しなんよ。」

バンダナの手を見ると混一ドラの-待ち。

しかし白石の残り点数がリーチ棒を出したため3900点を下まわり、 であたると白石トビ終了でbaneに追いつけないから スルーしたそうだ。

……なんか……不幸だけどちゃんと打ってるねぇ(感激)。

baneが逆の立場だったら気にせず和了ってるな(オイ)。

バンダナ不幸は更に続く!!

bane:「バンダナ、ロン。ダブ南ドラ」

      ロン  ドラ

白石:「バンダナさんロンデスヨぅ 。リーチ中ドラデスヨぅ。」

  ロン

連続打ち込みで三着に転落。

さらに南三局の親番でリーチをかけるも、baneに追っ掛けリーチをかけられる。

bane:「ポリ、ロン!!」

  ロン

親の安牌、baneの両スジ牌であるをポリからつり出す (つーかトップ目なのにこの手で親に追っかけるなよ)。

この和了りのウラがなんと!!

予想外の満貫getでbaneがほぼトップ確定!!

最後の親リーチも不発でバンダナ沈没(でも二着に上がったじゃん(嫌味))。

……うーむ。やっぱ今回バンダナちょっと不幸だったよなぁ。

そしてオーラス。

そんなバンダナをよそにポリがを鳴く!!

彼としてみればなんとか二着に上がりたいのだろう。

そこに白石がリーチ!!

奴もマンツモで二着が見えている!!

ここにトップ目baneがリーチ参戦!!(はいバカです)

bane:「ロン!!」

  ロン  ドラ

バカ丸出しのドラシャボをがんばっていたポリからまた和了り、 自力で半荘を終了させた。

……振り込んだポリ、100点差でラス転落(笑)。


一半荘目結果

bane    +70

ポリ    -40

バンダナ  -1

白石    -29


さて二半荘目。

親はバンダナ→ポリ→白石→baneの順(やったまたこの席げっとぉぉ!!)

東一局はbaneがのみでいきなり バンダナの親を流す(可哀想だなまた)。

東二局。

今回はコイツが抜け出した!!

ポリ:「ツモ!!」

  ツモ

リーヅモタンピン赤のきれいな和了りで4000オール(こんなきれいなの久々だな)。

直後にバンダナがドラで 追撃をかけるが、続く東三局またまた彼の不幸が発動する!!

bane:「ロン。」

白石:「ロン。」

  ロン  ドラ

  ロン  ドラ

3900と5800のダブロンをくらい、バンダナ撃沈。

しかし。

それでもバンダナは気を取り直して、次の一本場で2000点をポリから和了り、 続く東四局でもリーチをかける!!

……これも不発で流局だけど……。

さらに!!

南一局。

バンダナ:「リーチ!!」

めげずにここでも八順目リーチ。

……しかしやっぱしツキがないのか、なかなかツモれない (だんだん哀れになってきたなぁ)。



……そんな中。

今回の麻雀最大の山場が訪れる!!





十四順目。

白石:「リーチデスヨぅ!!!!!」


なにやらいつも以上にハイになっている白石が登場した。





そして彼の次のツモ番。









「うひょぉぉ&%$*%!!!」






明らかに人が発するものとは違う周波で構成された声が、 一同の鼓膜を揺るがしたのだった。





つづく!!




次回予告:

バンダナ邸でのまったり麻雀の最中に、一同が耳にした奇妙な声。

果たしてこれは、何かの心霊現象なのか!?

はたまた麻雀の作り出す特異空間に影響されての集団幻聴か!?

それとも突然の宇宙人襲来か!?

現代の科学では解明しきれなくなってきた今回の麻雀激闘記。

一体この声の正体は?  答え:白石の奇声

次回「人ならざる者の声:後編」。

最近寒くなってきたのでみんなで鍋パーティーやろうとか呼び掛けながら待て!!