マリ子さん「えーと…baneさんは
ショートケーキとモンブラン、どちらがいいですか?」
bane「…じゃあ…モンブランでお願いします。」
マリ子さん「はい。じゃあこれをどうぞ♪」
……。
こちらが向ける好奇と苦笑の視線には気付かぬまま、マリ子さんは
私にモンブランとフォークの乗ったお皿を差し出した。
その日私は母親のお供として母親の高校時代の友人-
マリ子さんの家へと招待されていた。
田舎育ちの母の高校時代の友人、ということで少々甘く見ていた(?)
私であったが…。
会ってみるとこれがなかなかのセレブであった。
モデル並…とはいかないまでもかなり整った綺麗な顔立ち。
化粧は濃すぎず、薄すぎず。元々の綺麗な顔を自然な感じで引き立てている。
着ている物も小綺麗で、生地は上質な物だが決して主張しすぎてはいない。
丁寧な言葉使いに上品な仕種。それも嫌味な感じではなく、
どこか人を落ち着かせる雰囲気を漂わせる。
…母親と同級生だから、これで40代中盤…。
……なかなかできた人である。
……と、ここまではパーフェクトなのだが。
私はここに来る前、母親にあることを聞かされていた。
そのことがどうしても頭を離れず、
ケーキを分け終りbane母と上品に談笑を交しているこのマリ子さんに、
私はどうしても笑いを堪えての目線しか送れなかったのである。
(ギターの音で)
ジャジャジャジャジャジャジャジャ……♪
わたーしセレブのマリ子です♪
bane母さんの、高校時代の友人です♪
美人で上品、センスもよくて、近所で評判、セレブです♪
って、言うじゃな〜い?
でも、アンタのフルネーム、全然セレブっぽくなくて
演歌歌手
みたいですからっ!!残念っ!!!
本名、
「六本木マリ子」切り!!!
……。
拙者、そろそろネタぎれですから!!
切腹!!!